脳梗塞で左半身マヒになった90歳の祖母から年下の方へ「好きなことやりなさい。私もやるから。」

   


どうも!MOVEの中忍・内藤大悟です。

僕には90歳になる祖母がいます。
実は先月脳梗塞で倒れて現在入院中です。
今日もお見舞いに行ってきました。

倒れた時は大変で、父親と一緒に祖母の家の鍵のチェーンを金属用のノコギリで切って突入し、救急車を呼ぶというなかなかの緊急事態でした。

90歳で1人暮らしをして、家事全般を行い、メールを打つなど携帯電話を使いこなすというスーパーおばあちゃんです。
僕は大阪に戻って来てから、毎週祖母の家に行ってはよく話をしていました。

いつも会話をはじめる時に僕は決まった質問をします。
「おばあちゃん、最近どう?」

脳梗塞で倒れる前の祖母の口癖は

「忙しい!忙しい!」

と言います。

「何がそんなに忙しいの?」
と聞くと

「○○しなきゃいけない」

その○○が「え?それ必要?」という内容のことが多々ありました。

例えば、通販会社から送られて来た販促用のカレンダーが届いたとします。

あなたならどうしますか?
僕なら使うか必要なければ人にあげるか、貰い手がなければ捨てることもあります。

祖母はそれに対して「お礼の手紙」を書くと言うのです。
しかもすぐに返信しないといけないと思い込んでいるので、
本当は昨日投函したかったけど出来なかったので速達で出すと。

僕はびっくりして、
「そんなこと普通はしないし、する必要ない。そんなことされてもビックリするだけだ。」
と伝えます。

しかし、祖母には90年の人生で培われた価値観がありますので頑として聞きません。

「でも…」
「だって…」
「だけど…」

この3つの接続詞で始まる終わりのない話が延々とループします。

これは魔法の呪文なのでしょうか?
これが始まると時間の流れがとても遅く重くなって、全てがスローモーションに見えてきます。
そして何故か僕は気分が悪くなるほどイライラしてくるのです。
ケンカになることもありますし、後でもっと優しく出来たよなと後悔することもしばしば。

 

僕は祖母を尊敬していますし、幼い頃から可愛がって貰って大好きです。
生まれた時代や価値観が違うとは言え、こうも違うものかと当惑することが沢山ありました。
それは祖母が80歳を越えたあたりから少しずつ軽い痴呆も入ってきたことも関係があるかもしれません。

じゃあさ「何がしたいの?」と聞くと即答で「編み物がしたい!」といつも答えてくれます。

「私編み物や縫い物が大好きなの!」

目をキラキラに輝かせて答えてくれる菅井きんさん似の祖母はとってもかわいらしいです。

そこで嬉しくなって「じゃあしたらいいやん!」と言うと。

また急に

「でも、」「だって、」「だけど、」
「○○しなくちゃいけない」
また時空が歪み始めます。地獄のループが始まるのです。
祖母は実はうちは一族で「万華鏡写輪眼」でも使えるのしょうか?
僕は月読をくらったカカシ先生のようにグロッキー状態になります。

※集英社発行JC NARUTO 16巻 148頁より引用。
引用したの画像の著作権は、岸本斉史氏に帰属します。
著作権法32条(引用)に則って掲示させて頂いております。

ちなみに僕とおばあちゃんのこのやりとり、2年はやってました。
僕の知る限りの2年間祖母はほとんど編み物をやっていません。
理由は「忙しい」からです。

 

90歳の祖母から年下への伝言「好きなことをやりなさい、わたしもやるから」

そして、その日は突然やってきました。

脳梗塞です。
今、祖母の話し方は少しぎこちないですが話は普通に出来ます。
しかし、祖母の左半身は麻痺しています。
お医者さんの話によるとリハビリしても左手が動くことはないそうです。

僕は祖母と話していました。
「おばあちゃん、最近どう?」
僕とおばあちゃんのいつもの入りです。

「暇だねー。」

「そっかぁ、あんだけ忙しいって言ったのになぁ。何かしたいことある?」

「編み物がしたい。」

この答えが来ることはわかっていました。

僕は一番最初に調べたんです。
祖母が脳梗塞になって、左半身がマヒしたと聞いた時に「片手 編み物」で検索をしました。

そしたらね、ありましたよ!

沢山の片手で出来る編み物の数々のページが。
今まで様々な「検索」をしてきましたが、こんなに嬉しかったことってなかったです。
検索結果に表示された全てが、僕には希望に見えました。

 

「おばあちゃん、片手で編み物って出来るらしいわ!利き腕の右手が動いてよかったなぁ!」

「そうなの?嬉しいねぇ。この手があれば何でもできるからね。」
そういって大事そうにしわしわの小さい右手を眺めて動かしていました。

そこから色々な話をしました。

僕はいつもおばあちゃんに聞く質問があります。

「何か伝えたい事ある?」

「みんなに迷惑かけて、、、」

「そういうんじゃなくて、90歳の人生の先輩から下の世代に向けて何かあれば」

「そうだねえ、好きな事をやっとけってことだね。」

 

「わたしは、編み物や縫い物が好きで本当に好きで、ずっと好きでそれができるからいいけど、何もなかったら本当にやることがないよ。わたしはこれからいっぱい編み物するんだ。

そういってまた、誇らしげに右手を眺めて動かしていました。

「おばあちゃん、これ見て!」

僕は服を捲りあげてお腹を見せました。
お腹に巻いているのは10年ほど前におばあちゃんに作ってもらった腹巻きです。
巻いているところを見せるのは今日がはじめてです。
その状態でこれ凄くあったかいよとお礼を言うのも。

「よかった、喜んでくれて。役に立てるって嬉しいよ。」

人間は何歳になっても自分を活かして人の役に立てると嬉しいものなんですね。

僕も頑張ろう!

読んで頂いてありがとうございました。

内藤大悟


 - 弱さ, 才能を活かす, 自分の動かし方

 

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